02/28/2022
No.0584 リチウムイオン電池濃厚電解液の溶媒和構造解析・電解液還元分解物の推定
リチウムイオン電池では、電解液や添加剤の酸化還元分解により電極被膜成分(SEI)が変化し、電池特性に影響する。実験・計算手法を組み合わせた評価法を用いて、電解液や添加剤由来の還元分解物の解析や耐還元性強弱の相対比較が可能であり、SEI設計指針の一助となる。本資料では濃厚電解液の溶媒和構造変化に伴う化学安定性変化やその還元分解物の推定を行った事例を紹介する。
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濃厚電解液の溶媒和構造解析とLiに配位する平均溶媒和数の推定 |
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※0 M~3.3 M PF6 in PC 電解液における溶媒和構造をラマン分光法で評価し、算出した平均溶媒和数を基に計算でさらに構造を推定 |
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< ラマンスペクトルとLiに配位する平均溶媒和数 > |
濃厚化に伴いfree PCピークが減少、
solvated PCピークが増加 | | |
| ※free、solvatedピークの強度比および電解質濃度からLiに対する平均溶媒配位数を推定
✔ 濃厚化で平均配位数減少
→ Liへの平均溶媒総配位数は、4配位@0.8 Mから2配位@3.3 Mに変化 |
< 第一原理計算 (DFT)による最適化構造 > |
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✔ 0.8 M:Liカチオンに溶媒が4配位しアニオン(PF6-)が離れた位置に存在するSSIP※構造を形成
✔ 溶媒配位数が3以下になる2.3 M以上:カチオンとアニオンがion pairを形成したCIP構造※への変化を示唆
→ 濃厚化に伴いSSIP構造からCIP構造に変化 |
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※SSIP: Solvated Separated Ion Pair, CIP: Contact Ion Pair |
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SEI成分に繋がるその還元分解物の推定と実際のSEI測定事例
カテゴリー
自動車, 電池, 材料・素材
分類
キャパシタ, リチウムイオン電池, 高分子材料, 有機材料・化成品, 複合材料