03/03/2020
No.0393 黒鉛/SiO混合負極を用いたフルセルのサイクル劣化解析
黒鉛/SiO混合負極を用いたリチウムイオン電池を作製し、サイクル試験を実施した。サイクル前後の容量変化について、Li定量分析と詳細な組成分析を行い、容量低下の原因を推定した。
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フルセルおよびハーフセルの放電容量変化 |
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サイクル増加に伴いフルセルの容量が低下
→ 負極ハーフセルの容量低下から、負極活物質の構造変化が進行したと推定可能
→ フルセルの容量維持率はハーフセルより小さく、負極活物質の構造変化以外に被膜生成などでLiが消費されたと推定 |
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サイクル数/mAh | 10 | 100 | 300 |
フルセル | 551 | 500 (91%) | 462 (84%) |
正極ハーフセル | 183 | 185 (100%) | 185 (100%) |
負極ハーフセル | 414 | 398 (96%) | 374 (87%) |
()内は10サイクルに対する容量維持率
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負極のLi定量とその状態解析 |
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SOC 0%で解体し、正負極のLiを定量したところ、サイクルとともに、正極で減少、負極で増加
→ 放電状態で負極に残存するLi(不可逆容量)が増加したことが容量低下の要因 |
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<Liの定量分析結果(原子吸光)> <SEIの抽出分析結果(1H NMR, IC, CZE)> |
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<Liの状態解析結果:固体7Li NMR> |
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不可逆容量の増加要因
●サイクルに伴い活物質に吸蔵されたLi量が増加
●300サイクルでカーボネート電解液の分解とSEI生成が進行 |
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分析機能と原理
カテゴリー
自動車, 電池
分類
リチウムイオン電池