close

01/12/2022

No.0571 カーボンニュートラルの実現に向けて ~CO2を吸収したアミンの構造解析~

低炭素社会実現を目指した様々な取り組みの1つに、CO2の吸収材としてアミンを用いる方法が知られている。CO2吸収時のアミンの構造や吸収量などの情報を得ることは更なる材料開発を目指す上で重要である。ここではCO2を吸収したモノエタノールアミンのNMRによる構造解析事例を示す。

P02323.pdf
始めに
①アミンやアルコールは、カーバメートやカーボネート構造を形成することでCO2を吸収している。
         
②この平衡状態のため、試料中には様々な構造の化合物が存在している可能性がある。また、試料の構造やCO2濃度などの要因でその割合が変化する
 ため、濃縮などの前処理操作は行えず、原液での評価が不可欠である。
                 
③NMRは、      (i) 詳細構造情報が取得可能
           (ii) 液の状態で分析可能
           (iii) 定量性に優れた手法
           などから、本材料の分析に適している。
                  
④当社の測定に関する豊富な知識や過去の分析に基づく経験・解析力を用いることで、試料の詳細構造やCO2吸収量に関する情報を得ることが可能と
 なる。

2次元NMRによる構造解析

1次元のNMRスペクトルだけでは構造決定が困難な場合がある。
そのような場合、2次元NMRの併用により詳細構造を明らかにできる!
 
試料;モノエタノールアミン( MEA : HOCH2CH2NH2 )にCO2を吸収させた水溶液
【HMBC】                                  【HMQC】
アミンと反応したCO2由来の炭素(C’)が水素(a’)から
3結合先に位置することが判明!
水素(a’)と炭素(A’)が直接結合していることなどから構造を決定!

13C NMRによる定量分析

帰属を明らかにすることで含有量も算出可能!



カテゴリー

電池, 材料・素材

分類

太陽電池, 高分子材料, 有機材料・化成品, 加熱発生ガス