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01/07/2022

No.0569 材料に付着した血中成分の免疫染色および二次イオン質量分析法による観察

中空糸膜に付着した血漿成分の分布を明らかにするため、免疫的な染色方法および二次イオン質量分析法(ここではTOF-SIMS)を用いて観察した事例を紹介する。

本手法を適用することにより、医療・ライフサイエンス関連の材料開発に有用な情報が得られる。



 試料作製方法
 中空糸膜回路にラット血漿を循環しタンパク質を付着させ、断面の付着状態を観察した。
 
       
       中空糸膜の回路構成
 
 模式図(免疫染色)
   
 
 
 
 

・ 特長:特定タンパク質を高感度に検出。 スループット性が高い。
・ デメリット:抗体等の反応試薬を吸着する材料には適用できない。
 模式図(SIMS)
   
 
 
 
 
・ 特長:総タンパク質の分布とともに、共存する元素・有機物の分布についても
    取得できる。 
・ デメリット:タンパク質の種類を区別できない。 

免疫染色による各タンパク質付着部位の可視化事例

     明視野像          アルブミン(白色部分)           フィブリノーゲン(黒色部分)
付着量の多いアルブミンは蛍光法にて検出し、付着量の少ないフィブリノーゲンは蛍光法よりも高感度な酵素法にて検出した。
蛍光法:Alexa647標識2次抗体を蛍光顕微鏡(Cy5フィルター)にて観察。酵素法:ポリマー法にて基質(DAB)の発色を観察。

TOF-SIMSによる総タンパク質付着部位の可視化事例



  ● マテリアルへのタンパク質付着メカニズム・目詰まり解析に有効。
  ● 各種材料の断面切片作製が可能。
  ● 目的に応じた付着物の分析方法を免疫染色、質量分析から提案します。



カテゴリー

ライフサイエンス

分類

高分子材料, 医療機器・医療材料, タンパク質