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07/31/2020

No.0423 ここまで分かる!2次元NMR分析

2次元NMR分析を行うことで、1~3結合離れた1Hと13Cの構造情報が得られるため、置換位置まで含めた構造解析が可能である。

2次元NMRとは

DQF-COSY

        3次元のスペクトルデータ相関の         ある高さでスライスした       クロスピークを用いて解析を行う
        あるところにピークが検出            2次元のスペクトルデータ     
よく用いられる2次元NMR測定の手法例

2次元NMRの適応例(有機EL材料)

                        さらに2次元 NMR分析を行い、結合位置を決定する

        Fig. 1  HMQCスペクトル
直接結合する1H-13C間にクロスピークが観測される。1Hが結合していない13C(4級炭素)、例えばDはクロスピークが観測されない。

       Fig. 2  DQF-COSYスペクトル

隣り合った炭素に結合した1H-1H間(例:f-g)、ベンゼン環でメタ位に位置する1H-1H間(例:a-b)はカップリングを有し、クロスピークが観測される。
⇒a, e, b, cの情報からオルト位の2置換ベンゼン、f, gの情報からパラ位の2置換ベンゼンが推定される。
        Fig. 3  HMBCスペクトル
1H-13C間にて、例えば g-I(3結合)、f-H(2結合)nにてクロスピークが観測される。
⇒g-I, g-G, f-H等の情報からパラ位のピフェニレン基が推定される。
これらの情報をもとに構造式を組み立て、有機EL材料の構造を決定できた。 

関連する技術資料
No.0439 有機EL材料の構造解析
https://web02.tsc.collab.cloud/news/trc/news_rd01.nsf/0/3175A98037D222D6492585F50030CF88?open

分析機能と原理


カテゴリー

材料・素材

分類

高分子材料, 有機材料・化成品