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07/21/2022

No.0614 水銀透過法による微多孔膜のナノ孔径推定

機能層を持つろ過膜や電池セパレータなど、微多孔膜の細孔特性評価に有用な水銀透過法を独自開発した(特願2022-7521) 。水銀透過法は、多孔質支持体および封止材により微多孔膜を複合体に加工し、複合体の水銀侵入圧力から微多孔膜の貫通孔径を求める技術である。本技術により、パームポロメトリや二次元形態像では評価困難なナノ貫通孔径を捉えることに成功した。

P02377.pdf
当社で受託可能な液体プローブによる細孔径評価法の比較

細孔径の測定領域
対象とする
細孔形状
細孔量
異方性
(方向の指定)
必要試料
面積
水銀圧入法
4 nm ~ 400 μm
開孔
×
10~100 cm2
水銀透過法
4 nm ~ 400 μm
貫通孔
×
1 cm2
パームポロメトリ
100 nm ~ 200 μm
貫通孔
×
  ×
5 cm2
                                                  †分子スケールを基準とした細孔形状
                                                  ‡加圧する膜面の指定は可能

水銀透過法によるセパレータとろ過膜の貫通孔径評価

複合体の断面概略図(セパレータの例)     事例①片側にアルミナコートされた         事例②ろ過膜のSEM写真
                          セパレータの断面

各面*からの水銀圧入により捉えた貫通孔径の異方性


 
*各面は複合体(左上に断面概略図を例示)の封止材から露出した試料上面(各事例では複合体中の試料を反転して測定)

                         §支持層と機能層から構成される膜や厚さ方向に不均一な細孔構造を有する膜


カテゴリー

自動車, 電池, 材料・素材

分類

太陽電池封止材, リチウムイオン電池, 高分子材料, ナノ材料, MEMS・センサ・TSV