11/30/2021
No.0545 液体の体積弾性率測定 -高圧用振動式密度計-
液体の体積弾性率は力学的性質を表す基礎物性の1つであり、液体を扱う機械の設計・シミュレーションにおける重要なパラメータである。体積弾性率測定には、比容積(密度の逆数)の圧力依存性の高精度測定が必須であるが、高圧用振動式密度計を用いることで取得可能である。
体積
弾性率について
一定温度T の下、物体に作用する周囲の圧力pの変化によって、物体の体積v がどの程度変化するのかを表す状態量を(等温)圧縮率といい、その逆数を
体積弾性率
という。
高圧用振動式密度計の原理と特長
【
原理】
試料液体を入れた金属製U字管を発振コイルで振動させ、U字管の固有振動の振動周期より密度を求める。
【対応可能条件】
温度:−10~150℃ 圧力:大気圧~約20 MPa
【特長】
・ 他の密度測定手法(ピクノメータ法など)より高精度
(標準精度±0.00005 g cm
−3
)。
・ 加圧状態(液化ガスなど)の密度測定が可能。
評価例①:有機溶媒(大気圧~2 MPa)
*1:CRC Handbook of Chemistry and Physics 82
nd
ed. 記載の等温圧縮率の値より算出。
加圧によって比容積はほぼ直線的に減少する。
体積弾性率の実測値と文献値とが精度(±5%程度)内で一致しており、測定の妥当性を示している。
評価例②:エンジンオイル(大気圧~20 MPa)
広い圧力範囲では、比容積ー圧力曲線はわずかに下に凸の曲線を描く。
高圧力をかけると体積弾性率は上昇し、圧縮しにくくなっていくことが分かる。
関連する技術資料
No.0566 オイルの実用物性値測定 ~ カタログ値にはない特性を取得する ~
カテゴリー
自動車, 材料・素材
分類
高分子材料, 有機材料・化成品
CONTACT US
分析・調査事例 検索ページへ
お困りごとは何ですか? 分析・評価総合案内へ