固体電解質LLZOの第一原理計算による安定性評価（置換元素の影響評価）

10/28/2021

No.0515 固体電解質LLZOの第一原理計算による安定性評価（置換元素の影響評価）

全固体LIBに使われる固体電解質の1つであるLi₇La₃Zr₂O₁₂ (LLZO)は、置換元素によりイオン伝導性や電気抵抗等の電気化学特性および表面還元性が変化することが知られている。第一原理計算により置換元素の違いによるLLZOの化学状態を比較した事例を紹介する。

LLZOの置換元素による特性差異の実験報告

第一原理計算によるLLZOの熱力学安定性と還元性の評価

既報を参考にLLZOのZrサイト（表面またはbulk）をTaあるいはNbで20 %置換した系でモデリングし、第一原理計算を実施。 ※全エネルギーから熱力学安定性を、状態密度(Density of states :DOS)から還元性を評価
・Ta：bulkと表面でエネルギー差が小さい　　　　・Nb：bulkよりも表面に存在した方が安定　　　　→Nbは表層に存在した方が安定な構造になる		非占有軌道のDOS積分値はNbが最も大きい →電子を受け取る軌道が多い　　→表層に存在しやすいNbは還元される確率が高い