close

2021年6月10日
2020年「分析化学」産業技術論文賞の受賞
 2020年の「分析化学」誌に、当社、無機分析化学研究部の一ノ瀬尊之が投稿した総合論文「ICP-MSによる心疾患・腎疾患のメタロミクス研究の最新の進歩」が、「分析化学」産業技術論文賞を受賞いたしました。

 「分析化学」産業技術論文賞は、独創性があり、実用的にも優れた分析技術や測定機器、並びに科学技術や産業の発展に貢献すると認められる論文に授与されます。本論文は、当社が開発した磁場型二重収束ICP-MSをベースとした多元素同時定量法を、心疾患・腎疾患患者血清の微量元素分析に適用し、心疾患患者ではMnとSeの濃度が低下していることを見いだしたものとなります。また、タンデム四重極型のICP-MS/MSによる干渉回避技術の向上や、フェムト秒レーザーを活用したLA-ICP-MSの感度および空間分解能の飛躍的向上など、ICP-MSの技術革新を積極的に取り入れ、メタロミクス研究のみならず、ICP-MS関連技術の進歩に貢献している点が高く評価されました。
 東レリサーチセンターでは、今後もICP-MSの技術革新を積極的に取り入れ、分析技術の向上、質の高い分析サービスの提供を進め、高度な技術で社会に貢献する取り組みを継続していきます。

(所載ページ)
「分析化学」第69巻第10・11号,539-551ページ

(論文掲載サイト)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/bunsekikagaku/69/10.11/69_539/_article/-char/ja/

(産業技術論文賞について)
https://bunseki.jsac.jp/pdf/2021/2021_04_p182産業技術論文賞.pdf