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09/29/2014

No.0113 ポリマーの変色の解析

ポリマーの劣化現象の一つに変色がある。ポリマー自体の変色はポリマー骨格の一部が変成して共役結合を生成して起こるとされているが、酸化防止剤などポリマー添加剤の劣化による変色も多く認められる。この酸化防止剤による変色の特徴として、日光などを照射すると退色する現象がある。ここではフェノール系酸化防止剤の変色成分に光照射して、退色現象の解析を行ったので紹介する。

酸化防止剤変色成分の光照射による退色、変成

代表的なフェノール系酸化防止剤の変色成分であるtetra-tert-butylstilbenquinone(SQ)、 tetra-tert-butyldiphenoquinone(DQ)の溶液を重水素ランプにより光照射して、色調の変化を観察、分析した。

酸化防止剤変色成分の光照射による退色、変成

以上のように、変色成分SQ、DQは光照射により分解し、より低波長域に吸収を有する多数の化合物に分解した。LC/MS分析の結果、SQからは、di-tert-butylp-benzoquinoneなど酸化物が数成分検出された。光照射をさらに進めると、これらの成分も分解、消失することがわかった。

分析機能と原理


カテゴリー

材料・素材

分類

高分子材料