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06/04/2018

No.0356 FSWによる異種材料接合に係る最近の研究概況

摩擦攪拌接合 (FSW: Friction Stir Welding)は、継手強度が高く、熱ひずみや残留応力が低い等の点で、異種材料の接合に有効な手法として注目されている。今回、過去3年間 (2013~2017年) の学術論文情報から、異種材料に対するFSWの適用範囲を確認するとともに、車両軽量化に寄与する樹脂に関するFSWの研究概況を調査した。

FSWの概要

 FSWとは、先端に突起のある円筒状の回転ツールを回転させながら接合部材に圧入し、その摩擦熱で母材を軟化させるとともに、工具の回転力で接合部周辺を塑性流動させて部材を接合する方法である。  

FSWの概要

   

異種材料に対するFSWの適用範囲

 下図に示すように、アルミニウム材(Al)と他材料の組み合わせの研究が活発であり、鋼材 (Fe) 以外にマグネシウム合金 (Mg)、チタン合金 (Ti)、樹脂 (CFRPを含む)、セラミックス等、多様な組み合わせが研究されている。Al以外の異種材の組み合わせでも、小規模ながらFSW適用の検討が進められている。
 異種材料に対するFSWの適用範囲は広がりつつあり、今やFSWはAlに特化したものではなく、マルチマテリアルの接合法として進展しつつあることが確認できる。
 

異種材料の主要な組み合わせ状況

異種材料の主要な組み合わせ状況

        注) 異種アルミニウム材同士のような、同材異種間の接合は除外

 


樹脂に対するFSWに係る研究概況

 近年、樹脂にFSWを適用する研究も増加してきている。具体的には、樹脂とAl、Fe、異種樹脂等での検討があり、FSWによる接合の実現を目指すための基礎研究が進められている。研究概況は下表の通りである。  

樹脂に対するFSWに係る研究概況


※調査対象の材料を限定した詳細調査の実施も可能です。


カテゴリー

自動車, 材料・素材, 調査

分類

複合材料, 接着・剥がれ