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10/03/2014

No.0160 TPD-MSと熱脱離GC/MSの併用分析

材料や部材は、様々な条件に曝されることによりガスを発生する。特に精密機器に使用する材料から発生するガスは、極微量であっても、精密機器に悪影響を及ぼす成分を含むことがある。このようなガスを分析する手法としてTPD-MS法や熱脱離GC/MS法が用いられる。
当社では、従来からこの2つの手法を併用した発生ガスの発生挙動解析を実施している。
ここでは、電子材料の一つである導電性接着剤に適用した例を紹介する。

TPD-MS

TPD-MS法は、熱脱着GC/MS法では困難な、CO、CO2、H2Oなどをオンラインで高感度に分析可能。また、昇温過程でのガスの挙動を確認できる。

TPD-MS法

熱脱離GC/MS

熱脱離GC/MS法は、GC分離カラムを選択することにより、極性成分や重複成分でも個別に高感度に定量できる。

熱脱離GC/MS法

TPD-MS測定結果

TPD-MS測定結果

熱脱離GC/MS

熱脱離GC/MS

TPD-MS測定の際に質量分析計に入る前のガスの一部を吸着剤に分岐捕集し、熱脱離GC/MS分析することで、発生ガス中に含まれる成分の詳細な同定が可能である。 結果、TPD-MSで主成分であったm/z88のイオンを持つ成分は、2-エチルヘキサン酸であり、この結果をTPD-MSの結果にフィードバックすることで、2-エチルヘキサン酸の発生曲線を確認することができる。

分析機能と原理


カテゴリー

材料・素材

分類

加熱発生ガス