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11/17/2022

No.0629 超高性能質量分析計による抗体医薬品のジスルフィド結合位置解析

抗体医薬品を含むタンパク質医薬品の機能と立体構造の間には重要な関連性があります。

当社では、複数の前処理技術とOribitrap型超高性能質量分析計を駆使し、迅速に、タンパク質医薬品中のジスルフィド結合位置の解析や、その結合の架け替えの解析を行います。


P02222.pdf
抗体の模式図
抗体医薬品を用いてジスルフィド結合位置を解析しました。
 

ジスルフィド結合位置解析

① 非還元条件で断片化
 
  通常、酵素法を用いてペプチドに断片化します。当社では、化学分解法も活用し、切断されにくい箇所を断片化します。
 
  
 
② 超高性能質量分析計によるLC/MS/MS測定
 
  国内CRO初導入! 超高性能質量分析計
  超高精度:ペプチド(質量2000程度)の質量誤差1ppm以内MSn分析も可能
 
        

     Orbitrap Fusion Lumos©Thermo Fisher Scientific
③ 非還元条件/還元条件でUVクロマトグラムを比較
 
  
 
  UVクロマトグラム上で差のあるピーク10本を検出

④ ソフトウェアによる結合位置の探索結果
結合位置の情報なしで9箇所のジスルフィド結合位置を推定
 
高度な前処理技術と極めて高い質量精度により可能となりました!
⑤ ジスルフィド結合位置の特定

   【 例 】
    L鎖126-144残基と190-206残基がジスルフィド結合したペプチドを検出(結合位置をS9と記載)
    UVクロマトグラム上で差のあるピーク(ピーク6)であることを確認
    その他のピークも同様に帰属
    S4, S5はプロテインシーケンサーも併用して特定
 
   9箇所のジスルフィド結合位置を全て特定できました。
   S-S結合位置が架け替えられた不純物の結合位置の解析も可能です。
  

カテゴリー

ライフサイエンス , 医薬, バイオ

分類

再生医療/培養装置・培地・試薬, 診断薬・検査機器・バイオセンサ, 創薬研究支援, 構造決定・特性解析, バイオ医薬品, タンパク質, 抗体