09/24/2014
No.0051 透明導電性薄膜の熱・機械物性解析
透明導電性膜は、LCDや有機ELなどのフラットパネルディスプレイを始め,タッチパネル,薄膜太陽電池等の電極材料として広く用いられている。このような薄膜を用いたデバイス設計や信頼性評価に用いる物性値は、実際の薄膜材料の値を使用することが重要である。ここでは、ITO膜(膜厚500nm)の弾性率・硬さ,熱伝導率の評価事例を紹介する。
弾性率・硬さの評価
| Young's modulus / GPa | Hardness / GPa |
Blank | 161.6( 3.9) | 11.7(0.3) |
500℃ | 193.0(17.0) | 14.5(1.5) |
1000℃ | 176.8(49.0) | 10.5(3.8) |
<測定結果>n=3の平均値、( )は標準偏差 |
|
熱処理による弾性率・硬さの大小やバラツキ度合に変化が見られる |
| →熱処理による構造変化の発生を示唆 |
・測定可能域 |
| 膜厚:100nm~ 測定エリア:10mm角~ |
・用途 |
| 薄膜・微小部の機械的特性評価
機械的特性の押しこみ深さ依存性調査 etc |
熱伝導率の評価
薄膜上に作成した金属細線に交流電流を流し、発生したジュール熱による金属細線の温度変化応答から、薄膜の熱伝導率を求める。