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09/26/2014

No.0084 PEFC GDLおよび排出水に含まれる分解物の分析

PEFC用電解質の劣化機構を推定する上で、GDLおよび排出水に含まれる電解質の分解物は貴重な手掛りとなる。ここでは、高感度な分析手法であるMS、LC/MS、LC/MS/MSにより、電解質分解物の構造解析を行った事例を紹介する。

FAB-MS、LC/MS/MSによるGDL中の電解質分解物の分析

GDL水抽出物のFAB-MS・GDL水抽出物のLC/MS/MS

FAB-MSより負イオンが多く検出され、分解物はスルホン基を有すると推定された。m/z 297、311、327のイオンが主成分であった。
LC/MS/MS分析より、m/z 327、311の化学構造が下図のとおり決定された。
GDLに含まれる電解質分解物は、主に側鎖分解物であることが分かった。

m/z 327、311の化学構造

LC/MSによる排出水中の電解質分解物の分析

排出水に含まれる分解物の濃度は非常に低いものの、GDLの水抽出物と同様に、側鎖分解物が検出された。
排出水に含まれる電解質の劣化成分の分析方法として、イオンクロマトによる
F、SO42-イオン等の定量や、TOC(Total Organic Carbon)測定等を併用する場合もある。

LC/MSによる排出水中の電解質分解物の分析

また、MEAや電解質膜、触媒層、GDLに含まれる微量金属の定量分析等も可能である。


分析機能と原理


カテゴリー

自動車, 電池

分類

燃料電池