06/12/2015
No.0250 RBS/NRAを用いた充放電後LIB負極の深さ方向組成分析
充放電後のLIB負極について、大気非暴露でのRBS/NRA組成分析を行うと、充放電状態を保持したまま、高い確度で表面からバルクまでの深さ方向の組成が得られる。
●測定原理
RBS: | ラザフォード後方散乱分光法
確度の高い深さ方向の組成情報が得られる。 |
NRA: | 核反応分析法
RBSで検出できないLiの定量が可能。
核反応は複数存在するが、深部までLiの情報が得られる最適な条件を選択した。 |
RBS、NRAともにスパッタリング不要のため、試料の変性を抑えた分析が可能。
原理図
●充放電曲線
○分析試料
リチウムイオン電池負極 : Graphite | |
各充電電位で調整した試料について、大気非暴露で装置に導入し、測定を行った。
●充放電後の負極組成分析
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RBSスペクトル
(20 mV) | NRAスペクトルの比較
(20mV、100mV、1500mV) |
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デプスプロファイル (20 mV)
(a):表層、(b):深部 |
(a) 表層にLi, O, F, P高濃度層が存在 | (b) 深部のLi濃度は
深さ方向に一定 |
(a) 皮膜の評価 |
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皮膜部分の (a-1):Li、(a-2):O 深さ分布の比較
・Liは表層~約250 nmにかけてなだらかに減少
・最表層のO濃度:20 mV、100 mV > 1500 mV |
(b) 深部の組成 |
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深部の組成(atomic%)、およびC/Li比
・確度※の高い組成値 → 予想される構造との比較が可能
※ RBS/NRAによる定量値の一般的な確度:±3%程度 |
大気非曝露RBS/NRAにより、試料の真の状態に近い深さ分布が電極表層~深部まで取得可能
分析機能と原理
カテゴリー
電池
分類
リチウムイオン電池