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06/11/2020

No.0409 XRDによるLIB黒鉛負極の非破壊充電状態マッピングとサイクル劣化解析

リチウムイオン電池の充放電反応は活物質の構造変化を伴い、その様子は、透過力の高いX線を用いてXRD測定を行うことで、非破壊で可視化することが可能である。ここではラミネートセルについて100サイクル毎に黒鉛負極の充電状態をマッピングし、反応の均一性を評価し、劣化解析について行った結果を示す。

マッピング測定方法・特徴

X線の照射位置を変えながらX線回折測定
   
黒鉛は充電状態によってステージ構造が異なり、LiC6とLiC12の強度比率から各位置のLi挿入量を推察可能
メリット
・非破壊で充電状態を推測可能(二相共存系材料)
・サイクル劣化の経時変化を同一試料で評価可能

事例:サイクル前後の黒鉛負極充電ムラ

<ラミネートセル構成>
   正極:NCM523
   負極:人造黒鉛
   電解液:1M LiPF6  EC:DEC=3:7(vol比)
<サイクル条件>
   1Cレート 100サイクル毎に0.1C

ラミネートセルのサイクル特性

ラミネートセルのサイクル特性

黒鉛負極のマッピング測定結果
<測定条件>1Cで4.2Vまで充電後、40×70mmの範囲を縦20点×横20点=400点をXRD測定。LiC6/LiC6+LiC12比率をマッピング。

0.1C容量とLiC6/(LiC6+LiC12)強度比平均の対比

0.1C容量とLiC6/(LiC6+LiC12)強度比平均の対比


サイクルに伴い局所的に黒鉛負極の充電状態が低い部位が存在し、劣化に伴い負極の充電状態が低下

カテゴリー

自動車, 電池

分類

リチウムイオン電池