02/19/2016
No.0291 AFMフォースカーブ法による医用材料の液中における柔軟層評価
新規AFM装置では、材料表面の液中における機械特性(弾性率、吸着力、柔軟層の有無など)を評価することができる。試料表面の形態観察に加え、硬軟の分布も同時に取得可能なため、生体材料や医用材料の液中における柔軟層の評価に活用することができる。
●新規AFM装置の特徴
当社で新規導入したAFM装置は液中測定、液交換測定に強く、また、フォースカーブにより機械特性評価(弾性率、吸着力、柔軟層の有無など)が可能な測定モード(PeakForce Tapping)が搭載されていることから、液中での形態観察はもちろんのこと、生体材料や医用材料の液中における柔軟層の評価に活用することができる。
| 既存機能 | 新機能 |
最高走査速度 | 2.44Hz
(標準観察時間15分) | 100Hz
(標準観察時間2分) |
温度可変 | × | 液中~40℃ |
弾性率測定 | ○ | ○ |
液中測定 | △ | ◎ |
液交換測定 | × | ◎ |
pH変化対応(液中) | 中性付近のみ | pH 2~9 |
<適用分野>
◆高速走査、溶液交換機能
→表面形態の経時変化観察
◆液中形態観察、機械特性評価
→柔軟層、コート層評価 など (分布、厚みなど)
●分析例:タンパク質吸着材の評価
医用材料であるタンパク質吸着材(処理前、処理後)について、吸着性能が発揮される液中にてPeakForce Tappingモードで測定を行い、タンパク質吸着性能と機械特性の相関について調べた。その結果、処理後ではDeformation像(探針で試料を押し込んだ時の変形量を表す)で海島状の分布が認められ、機械特性にムラがあることが示された。また、フォースカーブより、島部では海部に存在しない柔軟層の存在が示唆された。処理前との比較により、島部の柔軟層がタンパク質を取り込み、吸着性能を向上させていると推察される。
カテゴリー
ライフサイエンス
分類
再生医療/培養装置・培地・試薬