09/26/2014
No.0090 リチウムイオン電池の電極の形状観察
リチウムイオン電池の電極材料の代表的な構成は負極に炭素、正極にコバルト酸リチウムなどのリチウム遷移金属酸化物が用いられている。電池の劣化原因の一つに活物質の微細構造の変化があげられる。このような、変化を捉えるには、SEM(走査型電子顕微鏡)やTEM(透過型電子顕微鏡)による形状観察が有効である。ここでは、電極断面を電子顕微鏡により観察した例を紹介する。
18650円筒型リチウムイオン電池の断面観察
当社の前処理技術(断面研磨)により、18650円筒型電池全体の断面だしが可能であり、電極の形状を保ったまま、その一部をSEMで詳細に観察することができる。
正極活物質の局所形態観察
劣化品の正極活物質の断面形状を示す。(S)TEM観察により、活物質の形状を確認できる。下の写真は劣化品の正極活物質のHAADF-STEMによる観察例であり、矢印で示す位置にクラックが入っている様子が窺える。
試料の薄膜化はFIB法で行い、TEM装置への搬送は不活性ガス雰囲気で行っている。写真上側のW-depoはFIBによる加工ダメージを防ぐための保護膜である。
分析機能と原理
カテゴリー
電池
分類
リチウムイオン電池