02/19/2016
No.0299 TSV, MEMSデバイスの評価技術 (2) -応力、パッケージ内部ガス-
様々な手法を駆使することにより、TSVが周辺に与える応力やバリア膜の被覆性の評価、MEMSパッケージ内のガス成分分析、微小試料の力学試験等、信頼性に影響する要因の評価が可能である。
●ラマン分光法による平面の応力測定
TSV配線上部での応力を評価した。コーナー部で急激に引っ張り応力が増加しており、この応力は配線部より約10μm離れると影響が無くなることがわかる。
●TEMによるバリア膜の被覆性評価
Siの深掘り方法(ボッシュ法)では、側面にスキャロップと呼ばれる凹凸が形成される。この部分のバリア膜被覆性を調べるためにTEM観察を実施した。得られたTEM像よりバリア膜が側面の一部しか被覆できていないことがわかる。
●TPD-MSを用いたパッケージ内ガス分析
特殊密閉容器内でセラミックスパッケージを破壊し、放出された内部ガスを質量分析計で定性・定量した結果を示す。キャビティ容量とガス発生量から推定されるパッケージ内部の真空度は約54000Paであった。このように、TPD-MSを用いて内部ガス及び真空度について評価可能である。
TPD-MS: Temperature Programmed Desorption - Mass Spectrometry
m/z | 帰属 | 気体発生量(μl) |
18 | H2O | 0.036 |
28 | N2 | 7.971 |
43 | Organic gas | 0.002 |
44 | CO2 | 0.006 |
各気体発生量の合計(μl) | 8.015 |
●加速度センサー素子のマイクロ力学試験
加速度センサーを解体し、模式図のようなマイクロサイズの試料に対して片持ち梁試験を試みた。バルク材では問題とならないようなミクロン/ナノサイズの欠陥でもミクロンレベルの部材に対しては信頼性・耐久性等に大きな影響を与えるため評価が重要である。
加速度センサー光顕・SEM像
カテゴリー
ライフサイエンス
分類
診断薬・検査機器・バイオセンサ