07/20/2020
No.0418 超高質量分解能なFT-ICR-MSの受託分析が可能に!!
現存の質量分析計の中で、最も質量分解能が高いフーリエ変換型イオンサイクロトロン共鳴質量分析計 (FT-ICR-MS) の受託分析を開始した。FT-ICR-MSでは、未知化合物の高確度な組成式の算出や構造解析、また、化合物の分布を確認できるMSイメージングの取得も可能である。
イオンサイクロトロン共鳴質量分析計 (FT-ICR-MS)
|
ICRセル |
|
原理:強磁場中のイオンは、質量に応じて回転速度が異なるサイクロトロン運動を行う。その際、周波数の異なる誘導電流が発生するため、
この合成波形を高速フーリエ変換することでマススペクトルが得られる。 |
分離部 | イオン化 | 質量範囲 | 質量分解能 |
ICR
(磁場型) | ESI
APCI
MALDI | m/z 50-10,000 | ≤ 10,000,000
(m/z 200) |
Orbitrap
(電場型) | ESI
APCI | m/z 50-5,000 | ≤ 500,000
(m/z 200) |
Spiral
(TOF型) | MALDI | m/z ≤ 400,000 | ≤ 70,000
(m/z 200) |
|
現有する質量分析計の中で最も質量分解能が高い! |
|
超高分解能ESI-MSによる組成解析
● m/z 674.1703 のイオンを分解能1,250,000で検出し、組成演算により組成式を算出することが可能! |
● M+2の同位体において、含有元素の確認ができる! |
⇒ 超高分解能質量分析により、高質量成分でも確度の高い組成式の算出が可能! |
|
医療用テープ剤の高質量分解能MSイメージング
試料を手の甲に一定時間貼り、スライドガラスに貼り付けて、MALDI-MSイメージング測定を実施した。 |
| |
◇スキャン画像 | ◇有効成分のプロトン付加イオン[M+H]+ |
| |
|
●有効成分由来のイオンを高質量分解能で検出でき、使用時間により有効成分の減少が確認された。 |
| |
⇒ 高質量分解能により、良好なコントラスト比のMSイメージングを取得可能!! |
カテゴリー
IT機器, 材料・素材, ライフサイエンス
分類
高分子材料, 有機材料・化成品