10/02/2014
No.0148 環境負荷物質の蒸気圧測定とCO2吸収剤の特性評価
ここでは、物質の環境中挙動の解析において重要なパラメータの1つである“蒸気圧”と、CO2回収に用いられるアミン系吸収剤の“CO2吸収量”の分析を行った事例を紹介する。
環境負荷物質の蒸気圧測定
蒸気圧は環境問題と密接な物性の1つであり、次の値を推定するための重要なパラメータである。
・水への溶解度 |
・水溶液から蒸散する程度 |
・大気中の物質の濃度 …など |
蒸気圧測定手法と測定範囲
Xyleneの蒸気圧
沸点法では構造異性体の蒸気圧のわずかな差異(0.2~1.5 kPa)をとらえることができる。この蒸気圧の差は蒸留塔の設計においても重要な因子である。
DEHPの蒸気圧
不揮発性であるDEHPの蒸気圧は気体流通法により測定できる。さらに、測定値にAntoine式を適用して得られた最適曲線により、室温での飽和蒸気密度を見積もることができる。
アミン系CO2吸収剤へのCO2吸収量測定
測定方法
CO2吸収量の計算
測定系に所定の圧力のCO2を導入することによる試料容器の重量増分Δwから、試料容器の空隙に存在する気体状態のCO2の量を差し引くことにより、試料液中に含まれるCO2量を求める。
測定結果
水にDIPAを添加することにより、CO2吸収量が飛躍的に向上することが分かる。DIPA水溶液、水ともに実測値(プロット)は、文献値(実線)と測定精度(±10%)内で一致した。
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分析機能と原理
カテゴリー
材料・素材
分類
有機材料・化成品