09/08/2023
No.0671 耐候性試験に伴う樹脂成型品の化学構造変化 ~可視化と定量化~
樹脂成型品は、屋外曝露に伴って、紫外線や熱、水分の影響により化学構造が変化し、破損や褪色、表面の荒れが進む。ここでは、赤外分光法とNMR分析を用いて、屋外曝露に伴って進行した化学構造変化を可視化、定量化をした例を紹介する。
樹脂成型品の物性の変化とその原因
物性の変化
硬 さ :脆くなって破損しやすい
表面形状:クラックや表面の荒れ
分子構造変化
化学構造変化:構成材料の酸化、官能基の変化
高次構造変化:結晶性、分子運動性の変化
酸化成分の生成(イメージングIR)と分子運動性の変化(TD-NMR)
【 イメージングIR:酸化成分の生成 】
・ 広域測定から、樹脂成型品の表面側で酸化(アルデヒド、ケトンの生成)が進行
・ 大気曝露面や亀裂表面では、生成したアルデヒドやケトンがさらに酸化・分解し、減少したと推定
・ イメージング結果から得られた強度比をヒストグラム化して比較
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表面付近で酸化が進行し、亀裂内部にもその影響は及ぶ。
‒
亀裂が存在しない部分では酸化が進みにくく、中央付近と類似した化学構造を示す。
【 TD-NMR(Time-Domain NMR):分子運動性の変化 】
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H核の緩和時間から、分子運動性を評価
● 分子運動性から、結晶性や化学構造の劣化、架橋の程度に関する情報を取得
カテゴリー
材料・素材
分類
高分子材料
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