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09/25/2014

No.0068 レーザー気化導入ICP-MSによる材料中の金属のイメージング

-太陽電池用シリコン中の不純物分布測定-
レーザー気化導入(LA)ICP-MSは、集光したレーザー光を試料に照射し、生じた微粒子をArのプラズマに導き、イオン化して質量分析を行う方法である。本法ではレーザーが照射されたエリアのみが分析対象となることから、局所的な情報を得ることが可能である。ここでは、LA-ICP-MSの特徴と、材料中の金属のイメージングへの適用事例について紹介する。

概要

P00686.pdf

Fig. 1 LA-ICP-MSの装置構成

Fig. 1 LA-ICP-MSの装置構成

LA-ICP-MSの特徴
対象元素
Li ~ U (ハロゲン、ガス成分を除く)
励起方法
レーザー光/ICP(誘導結合プラズマ)
検出システム
四重極型質量分析計 (DRC*装備)
照射径
4 ~ 200 μm
測定深さ
~ 数十 μm
検出感度
0.X ppm(シリコン中のFe、laser照射径:100μm測定)
試料前処理
必要に応じて断面出しを行う
*DRC : Dynamic Reaction Cell


太陽電池用シリコン中の不純物分布測定

Fig. 2 試料およびレーザー照射痕
ケミカルエッチングによる表面洗浄と予備照射を行ってから測定した(照射径:100mm)。

Fig. 2 試料およびレーザー照射痕 ケミカルエッチングによる表面洗浄と予備照射を行ってから測定した(照射径:100mm)。


Fig. 3 シリコン中のFeの分布測定結果

Fig. 3 シリコン中のFeの分布測定結果

Fig. 4 Feの分布シミュレーション

Fig. 4 Feの分布シミュレーション


LA-ICP-MSにより、材料中の金属の分布分析や特定部位の不純物の高感度測定が可能である。 本法は高分子材料、金属、LSIデバイスチップ、生体試料など、様々な試料への適用が可能である。


カテゴリー

電池

分類

太陽電池