10/17/2014
No.0223 サブμm領域の熱分析-ナノTAの応用
工業材料の高機能化や半導体材料の微細化に伴って、微小領域の熱分析に対するニーズが急速に高まっている。ここでは、サブμm領域の熱分析が可能なナノTA(nano-TA)を用いて、ABS(Acrylonitrile-Butadiene-Styrene)樹脂の軟化温度分布を調べた結果を紹介する。
ナノTA(nano-TA)システムと原理
ナノTAは本体とAFM装置で構成され、AFMのプローブの代わりに、加熱可能なサーマルプローブが取り付けられている。
光検出器に入射するレーザー光の位置を一定に保持するようにフィードバックをかけ、ピエゾによりトポグラフ(表面の凹凸像)を観察する。
任意の位置にプローブを移動させ、プローブと接触している微小領域を加熱する。試料が軟化を生じると、プローブは試料内部に侵入し、TMA(熱機械分析)ができる。
ABS樹脂のナノTA測定例
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6×6=36点のナノTMAに基づく軟化温度マッピング
斜線部は軟化温度が検出下限以下 | 薄灰色の海部分がAS相
濃灰色の円形の島部分がB相
(注意:TEM写真はナノTA測定位置と異なる) |
軟化温度マッピングで軟化が認められなかった領域(左図の斜線部)と
TEM写真の海島構造(右図)のオーダーが一致 |
分析機能と原理
カテゴリー
材料・素材
分類
高分子材料