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02/03/2021

No.0448 Nano-ESI-Orbitrap MSによるEUVレジスト用有機金属化合物の構造評価

当社では、最近導入したNano-ESI-Orbitrap MSを用いて、従来のESIでは測定が困難な不安定な有機材料の構造解析への展開を図っている。ここでは極端紫外線(EUV)リソグラフィー用レジスト材として近年注目されている有機金属化合物に適用した事例を紹介する。

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Nano-ESI-Orbitrap MSによる有機金属化合物の分析
Nano-ESI(Electro Spray Ionization)では、直径5μmの極微細なノズルを用いて、常温低電圧下でスプレーすることにより、従来のESIと比較して高効率で、よりソフトなイオン化が可能である。
有機金属化合物のように不安定な化合物も、構造を保持しつつイオン化して評価できる。
        
High Resolution MS (Orbitrap MS)
   
高質量分解能での精密質量測定(MS, MS/MS)により確度の高い構造解析が可能

極端紫外線(EUV)レジスト用有機金属化合物の構造解析

                                   Nano-ESI-MS Spectrum

    MnLmL’l-①、②:異なる組み合わせの有機金属化合物のイオン
EUVレジスト用有機金属化合物について、EUV露光を模擬した電子線照射前後の構造変化をNano-ESI-Orbitrap MSにより評価した。
電子線照射により有機金属化合物由来のイオンが減少し、遊離金属に関連したイオンが増加しており、電子線照射により有機金属化合物が破壊されていることが分かる。
さらに、有機金属化合物のL、L’の2種類の有機物の組み合わせ(①、②)で照射後の減少量に差異が認められ、有機金属化合物の組み合わせにより電子線照射に対する感光度に違いがあることが推定される。



カテゴリー

IT機器, 材料・素材, 半導体・実装

分類

光触媒・触媒, 金属・無機材料, 電子・機能性材料, 実装・パッケージング, リソグラフィ