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12/27/2021

No.0562 TOF-SIMS MS/MS のOLED駆動劣化解析への適用

斜め加工面上のPLライン分析、GCIB-TOF-SIMS、TOF-SIMS MS/MSの3手法により、OLED駆動劣化解析を行った。TOF-SIMS MS/MSにより、OLED多層構造のうち特定深さに存在する劣化生成物に関して、化学構造情報を得ることができた。

P01964.pdf
■テストパターン: 2 mmφ  ■駆動劣化条件: initial, 10 %, 50 %, 75 %劣化

斜め加工面上のPLライン分析

 Schematic of analysis         PL spectra (initial)        Peak separation of PL spectrum
  
       Comparison of profiles
ETLにおける390 nm (ETL) ピークなどの
強度低下 ⇒ ETLの劣化を示唆

GCIB-TOF-SIMS depth profile of OLED


 
  ・ EML主成分に明確な減少は認められない  ・ ドーパント成分や他層の主成分ピークにも顕著な変化なし
Difference between the spectra of each layer ⇒ Depth profile

  ・ EML内部~EML/ETL界面近傍での分解物・不純物の検出 ⇒ PLの結果での劣化位置と対応
  ・ m/z 649, 651のピークが劣化生成物の構造を反映と推測

TOF-SIMS MS/MS

Ar-GCIBによりETL/EML界面近傍を露出 ⇒ 表面分析実施
 
 ■ ETL/EML界面のTOF-SIMS質量スペクトル

  上記TOF-SIMS質量スペクトルでは、詳細な解析困難 ⇒ MS/MS実施
 ■ プロダクトイオンスペクトル
   劣化生成物はTPBi脱水素物である[TPBi-4H]、[TPBi-6H]と推測
   低質量側のピークは共通
    (フェニルベンゾイミダゾール構造の検出)
   高質量側ピークのシフト幅は共通
 
TPBiの環化物と推察

まとめ

 
斜め加工面上のPLライン分析、GCIB-TOF-SIMS、TOF-SIMS MS/MSの3手法により、OLED駆動劣化解析を行った。TOF-SIMS MS/MSにより、OLED多層構造のうち特定深さに存在する劣化生成物に関して、化学構造情報を得ることができた。

カテゴリー

IT機器, 材料・素材, 半導体・実装

分類

有機ELディスプレイ, 有機材料・化成品, 有機トランジスタ