ヒト血清中の微量元素を定量した一例を紹介する。本法では、血清試料をマイクロ波により酸分解し、高感度な二重収束型ICP-MS（ICP-SF-MS）で無機元素を定量した。血液試料中の無機元素定量では、国際的ラウンドロビン試験であるG-EQUASで認証を取得している。 

●分析の流れ

●二重収束型ICP-MSの概要

質量分析部の分解能を上げることにより（最大でR-10,000）、ICP-MS測定時に問題となるスペクトル干渉を抑え、さらに高感度な分析が可能である。

●分析例
以下に、ICP-SF-MSで定量した健常人血清中の各元素濃度を示した。定量下限は概ね0.05 ng/mLであった。

●G-EQUAS認証

我々は国際的ラウンドロビン試験であるG-EQUAS（German External Quality Assessment Scheme）に参加し、全血中および血漿中の金属分析について認証を得ている。最近の認証結果を下記に示した。