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09/22/2014

No.0013 SIMS・SRによるイオン注入ウエハの面内均一性評価

イオン注入・拡散工程のバラつきは、ドーパントの分布異常を招き、デバイス動作に重大な影響を及ぼしかねない。ここでは、イオン注入・活性化アニール処理試料をSIMS&SRで評価した例を紹介する。

イオン注入・アニール処理条件

Wafer
4-inch Φ SiO2 (20nm) / Si sub.
Type
N-sub. (>5Ωcm)
Species
11Boron
Energy(keV)
35
Dose(atoms/cm2)
1E14
Tilt angle (deg.)
7
Orientation (deg.)
45
Annealing condition
950 deg C, 30 min
Tilt角およびオリフラ角:極力チャネリングを抑制できる条件
アニール:不純物がほぼすべて活性化される条件で実施


四探針法によるウェハ面内のシート抵抗分布

面内分布
・RSD=0.992% ⇒概ね良好
・上下方向(Top~Bottom)で約2%の差異
  ⇒入射角に依存
Tilt(7°)時に生じるイオン入射角の差異
(本注入に用いた注入機の場合)


SIMS分析結果

SIMS分析結果より算出したB面密度 (as implanted)

Location
Areal density
(atoms/cm2)
Top
9.62E+13
Center
9.80E+13
Bottom
9.99E+13

SIMS分析結果1

SIMS分析結果より算出したB面密度 (annealed)

Location
Areal
density
Average
RSD
(atoms/cm2)
%
Top
8.39E+13
8.40E+13
0.2
8.39E+13
8.41E+13
8.43E+13
Center
8.43E+13
8.47E+13
0.6
8.47E+13
8.45E+13
8.54E+13
Bottom
8.64E+13
8.68E+13
0.5
8.66E+13
8.68E+13
8.75E+13

SIMS分析結果2


as implanted面密度及び深さ0.3~0.4μm付近の分布に差異
→入射角の違いに依存してチャネリングの影響が異なった可能性が高い。
annealed面密度及び深部の拡散にわずかな差異
→注入時(as impla.)における差がアニール後も存在し、シート抵抗に違いを生じたと考えられる。
わずかな差を議論するには高い繰り返し再現性(<1%)が必要



SR分析結果(アニール処理後)




ピーク近傍の濃度分布は、試料間の差異は認められない
→SIMS分析結果とも良く一致 高い信頼性にて議論可能
0.3μmより深い領域で急激に濃度低下:SIMS分析結果とは大きく乖離
→空乏層の影響大 詳細な分布の議論・解釈には注意が必要


① 探針間の距離に対し十分な深さがある
⇒電界が十分広がり信頼性の高い結果が得られる
② 探針間距離に対し電界の拡がりが不十分(経路の制限)
⇒電流が流れられなくなり急激に抵抗が上昇
実際のジャンクションよりも浅い深さで低下する


分析機能と原理



カテゴリー

半導体・実装

分類

LSI・IC・メモリ