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09/29/2014

No.0116 熱劣化による架橋ゴムの構造変化解析

架橋ゴムは様々な分野で使用されているが、熱などにより劣化が進行し、性能が低下する。そこで、性能低下を防ぐために劣化の程度等を把握することは重要である。ここでは、熱処理した架橋シリコーンゴムに対して、熱劣化による構造変化を解析した例を紹介する。

粘弾性特性・溶出成分の変化

粘弾性特性・溶出成分の変化

熱劣化に伴い、貯蔵剛性率は低下し、角周波数依存性を示すようになった。網目鎖が切断し(広がり)、 流動成分が生成している。流動成分の生成は、GPC法におけるピーク面積(溶出成分量)増大、高分子量成分の出現からもわかる。

化学構造の変化

化学構造の変化

熱処理により、分子鎖切断と架橋構造形成が同時に起きると考えられる。スペクトルのピーク面積変化から、メチル基のOSiまたはOHへの変化がみられ、架橋点となりうる構造も増加しているが、動的粘弾性測定等の結果から、分子鎖切断の方が大きく寄与していると考えられる。

分析機能と原理


カテゴリー

自動車, 材料・素材

分類

高分子材料