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09/22/2021

No.0489 STXMによるLIB正極の化学状態マッピング

走査型透過X線顕微鏡(STXM)は、約40 nmの空間分解能で価数、化学状態のマッピングができる。

LIB材料の分析において、任意の表面や粒界での劣化分析や、粒子間での充電深度の評価などに有用である。


STXM
(走査型透過X線顕微鏡)
ナノスケールのイメージングXAFS
空間分解能: 約40 nm
主な測定対象元素: C、 O(K端)Ti、Mn、Fe、Co、Ni、Zn(L端)など

LIB正極のSTXM分析

試料: Li(Ni0.8Co0.15Al0.05)O2 (充電:4.2 V (vs.Li/Li))  
    • 正極活物質1粒子に着目
    • Ni L3端を測定し、Niの価数を評価
 正極活物質粒子のうち、①正極内部および、②電解液界面付近の粒子表面の状態分布に着目

LIB正極の化学状態マッピング

スペクトル解析により化学状態ごとの空間分布を視覚化
① 正極内部の活物質粒子
② 電解液界面付近の活物質粒子
 ■:Ni2+~Ni3+(未充電➝劣化層の可能性)
 ■:Ni3+~Ni4+(充電状態として妥当

同じ二次粒子でも、内部(①)より電解液側(②)で、表面や粒界でのNi価数の低い領域を確認
劣化層と思われるNi低価数領域の空間分布を数十nmオーダで評価可能

カテゴリー

自動車, 電池

分類

リチウムイオン電池