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07/20/2020

No.0417 断面カソードルミネッセンス(CL)によるGaN系パワーデバイスのプロセスダメージ・応力評価

化合物半導体ウェハやエピタキシャル膜には多くの欠陥が残留しているが、デバイス製造工程においても多くのダメージが発生する。特に、イオン注入やドライエッチングではプロセスダメージが残留しやすいことが知られている。断面CL法はこれらのダメージに敏感であり、かつ空間分解能も比較的高いことから、プロセス最適化やデバイス故障解析に広く応用することができる。

CL法の原理と弊社装置の特長、適用分野

     
1. 低加速・大電流電子銃によるナノメートルオーダーの最表面分析
2. 専用ソフトウェアを用いた高速・高感度スペクトルマッピング
【適用分野】
 各種極薄膜の欠陥評価、プロセスダメージ評価(ドライエッチング、イオン注入等)、素子の応力、組成、不良・故障解析 (LED, LD, HEMT, SiC MOSFET等)、ナノ構造体、セラミックス、 酸化物半導体(Ga2O3)等

高速CLスペクトルマッピングの原理

すべての点(例えば400 x 400点等)で最初からスペクトルデータを取得することで、後から任意の波長の単色CL像、積分CL像、発光ピーク位置像、半値幅像を得ることができる。
GaN HEMTの断面CL測定例
GaN層に加えて、膜厚20 nmのAlGaN層からの発光も観測された。ソース、ドレイン領域で暗くなっているのはイオン注入ダメージが残存しているためと考えられる。ゲート付近も強度低下しており、何らかのプロセスダメージの存在が示唆される。バンド端発光のピーク波長のシフトは応力の指標となる。本試料ではSiN膜直下においてピーク波長が短波長側にシフトしており、圧縮応力の存在が示唆される。


分析機能と原理


カテゴリー

半導体・実装

分類

パワーデバイス・ディスクリートデバイス