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09/10/2021

No.0482 活物質表面コート層の評価

活物質表面をコートすることにより電池性能を向上できることが知られており、薄くかつ被覆率の高いコート層が求められている。LEIS、XPS、TEM-EDX、TOF-SIMSにより、コート層の被覆率や膜厚、活物質表面の分布の評価が可能となる。

LEIS、XPSによる被覆率評価

 ● LEIS:  表面第1層のみの情報が得られ、コート層の完全性、被覆率を定量的に評価できる
 ● XPS:  大気非曝露測定可能。表面から3~10 nmの深さ範囲内での組成比を得られる

断面STEM-EDXによる膜厚評価


 thin

 thick
・LCO表面にTiを確認。ただし、活物質粒子によってTiは検出されず、
 不均一な被膜である
・edge-on条件ではないため膜厚の測長不可
・LCO表面に均一なTi層を確認
・Ti層の膜厚: 1.2~1.4 nm程度
 ● 膜厚の直接的な評価と、膜の均一性を評価できる

TOF-SIMSによる被覆分布評価


thin          thick
・thinでは、TiでコートされていないLCOが存在
・thickでは、ほぼ全てのLCOはTiでコートされている
 
 
● 最表面(1~2 nm)の分布を空間分解能0.3 μmで高感度に確認できる
活物質表面コート層の被覆率、膜厚、分布を高精度で分析することにより、良好なイオン伝導、低抵抗な合剤作製プロセスに有用なパラメータを取得できる

カテゴリー

自動車, 電池, 材料・素材

分類

燃料電池, キャパシタ, リチウムイオン電池, 金属・無機材料, 電子・機能性材料