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06/10/2015

No.0242 トナー内部の組成分布観察および表面の帯電特性評価

トナー内部のモルフォロジー観察の手段としてはTEM、AFMなどがあるが、AFM-IRによって初めて組成分布(数百nmオーダー)を観察できるようになった。また、KFMを用いた表面電位測定により、トナー表面の帯電特性に関する情報が得られた。

●AFM-IRによるトナー内部の組成分布観察

 

AFM-IR(スペクトル)から、ワックス成分が炭化水素系化合物、バインダー成分がスチレン/アクリレート共重合体ということが分かった。AFM-IR(マッピング)を行うことで、炭化水素系ワックスが、トナー粒子内に、数μmサイズで島状に分布していることが確認された。AFM-IRでは、化学構造(官能基)に基づいたトナー内部の成分についての分布評価が可能である。

AFM(高さ像)

AFM(高さ像)

AFM-IR(スペクトル)

AFM-IR(スペクトル)

AFM-IR(マッピング)

AFM-IR(マッピング)


●KFMによる疑似トナー粒子の帯電特性評価

○分析方法
ネガシリカを外添した疑似トナー粒子(T:SX-5000H)と、ネガ帯電用標準キャリア(N-01)またはポジ帯電用標準キャリア(P-02)を混合して振盪し、帯電させた疑似トナー粒子について、AFM, KFM測定を行った。
○KFM測定の模式図
試料提供: 日本画像学会トナー技術部会

○AFM
AFM(高さ像)からは表面凹凸が、AFM(振幅微分像)からは、疑似トナー粒子表面の外添剤の分布が観測された。
 
○KFM
 
KFM(電位ヒストグラム)からは、ネガ・ポジ帯電用キャリアでは異なる電位に帯電することが確認された。またそれぞれ分布が異なることから、表面電位特性が異なることが予想された。 KFM(表面電位像)では粒子表面上の帯電分布状態についての情報を得ることができた。

カテゴリー

IT機器

分類

プリンター・複写機