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12/05/2022

No.0632 有機ELデバイス中のドーパント比の算出

有機ELデバイスにおいて、ドーパント比は発光効率や色純度、寿命に大きく影響を及ぼす。また、共蒸着の場合、化合物の特性によっては必ずしも仕込み値のまま成膜されるとは限らず、成膜後の組成比の確認は必須である。今回、ドーパント材料の標準品あり・なしについて、有機EL膜のドーパント比を算出した事例を紹介する。

P02418.pdf
分析試料
  ー 各濃度比で成膜した有機EL膜 ー         ー 化学構造 ー                ー 試料水準 ー   
⇒ 溶媒抽出した後にLC/UV、LC/CADによる定量分析へ

検出器の特徴および感度の確認

ー 同じ濃度溶液でのピーク面積値の比較 ー     
       
⇒ UV-Visのピーク面積値のばらつきは大きい。   
                    ⇒ CADにおけるピーク面積値のばらつきは10%以内

  LC/UVによる絶対定量 (ドーパント標準品あり)  LC/CADによる半定量 (ドーパント標準品なし)
 1.それぞれの標準溶液のLC/UV測定によりCBPおよび
   Ir(ppy)3の検量線を作成
 2. 各検量線を用いてCBPとIr(ppy)3の定量値を算出
 1. CBP標準溶液のLC/CAD測定により検量線を作成
 2. CBPの検量線を用いてIr(ppy)3の定量値を算出
 
    
 
 ⇒ 標準品を用いた定量により、水準②は仕込み値の組成比で
   成膜できていないことが明確となった。
 
 ⇒ CBPの検量線を用いたIr(ppy)3の半定量値は、絶対定量値と比較して
   乖離率は~1%程度で、標準品がなくても精度よく定量可能であった。


カテゴリー

IT機器, 材料・素材

分類

有機ELディスプレイ, 有機材料・化成品