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09/29/2014

No.0119 固体NMR及びFT-IRによるウレタン樹脂の化学構造解析

工業材料として広く利用されているウレタン樹脂について、赤外分光法および固体NMR法により構造解析(ウレア結合を生成しやすい条件で合成した樹脂でのウレタン結合とウレア結合の差異や軟質ウレタン樹脂の分析)を行った事例を紹介する。

図1

図2

ウレタン樹脂の構造解析 -ウレタン結合とウレア結合の判別-

今回のウレタン樹脂では、ポリオール成分が主成分でウレタン結合やウレア結合は少なかったが、ウレタン結合とウレア結合を判別することができた。工業的に用いられるウレタン樹脂では、今回のようにポリオール成分が多いケースがある。

FT-IR spectra of A & B
*添加剤のエステルを含む

FT-IR spectra of A & B *添加剤のエステルを含む

<sup>13</sup>C DD/MAS NMR spectra of A & B

13C DD/MAS NMR spectra of A & B

A:水を添加して合成したウレタンとB:通常のウレタンを比較すると、赤外分光法および固体13C NMRより、Aではウレア結合が生成し、Bよりもウレタン結合が減少していることが確認される。

FT-IR spectrum of C

FT-IR spectrum of C

<sup>15</sup>N CP/MAS NMR spectrum of C and the associated spectral decomposition[1]

15N CP/MAS NMR spectrum of C and the associated spectral decomposition[1]

C:MDI過剰で合成したウレタンでは、赤外分光法および固体15N NMRより、ウレタン結合およびウレア結合のNHと未反応イソシアネート基が観測される。

軟質ウレタン樹脂の構造解析

D:軟質ウレタン樹脂の構造解析結果を紹介する。固体13C NMRでは、測定法によりハードセグメントとソフトセグメントの区別が可能である。
※CP/MAS :ハードセグメント
DD/MAS :全体像(ソフトセグメント、DOP :フタル酸ジオクチルなど)

軟質ウレタン樹脂の構造解析

分析機能と原理



カテゴリー

材料・素材

分類

高分子材料