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10/01/2014

No.0139 CFRPマトリックス樹脂の高速昇温時におけるガラス転移点評価

航空宇宙用途では、打ち上げから大気圏を突破するまでのわずかな時間に表面温度が急速に上昇するため、急速加熱時の材料評価が重要な課題となっている。通常、高温硬化型の熱硬化性樹脂を用いた炭素繊維複合材料(CFRP)が使用されているが、急速加熱時の力学特性の低下は経験的に小さいと言われている。以下では、その仮説を検証するため、高速昇温が可能な入力補償型DSCとマイクロサーマルアナライザー(µ-TA)を用いて、航空宇宙用および汎用のエポキシ樹脂についてガラス転移点(Tg)の昇温速度依存性を測定した結果を紹介する。

DSC法

DSC法

昇温速度が速くなるほど、ガラス転移点は上昇し、昇温速度(常用対数)に対して直線的に上昇する。

マイクロ熱分析(μTA)法

マイクロ熱分析(μTA)法

ガラス転移点の絶対値はDSC法の結果と異なるが、ガラス転移点の昇温速度依存性はDSC法とほぼ同じであった。昇温速度1500℃/minの場合には、1℃/minよりも、ガラス転移点は約50℃上昇する。

分析機能と原理


カテゴリー

自動車, 材料・素材

分類

複合材料