07/14/2015
No.0253 新規球面収差補正STEMを用いた局所構造解析
球面収差補正機能(Csコレクター)付きSTEM装置では、Sub-Åの空間分解能が達成され、原子レベルの観察や元素分析(EDX/EELS)が可能である。新規装置では既存の装置には無い加速電圧設定機能やアプリケーション(Dual SDD, SAAF)が搭載され、最適な条件下で高感度元素分析および磁場/電場の観察などが行える。
●装置構成とSAAF検出器*
*Segmented Annular All-Field Detector:多分割環状検出器
SAAF検出器を用いたDPC(Differential Phase Contrast:微分位相コントラスト)法により、サンプル内に発生する電位差を像コントラストとして検出できることから、磁場/電場に起因するコントラストを得ることが可能である。
収差補正機 | : | 空間分解能 1Å以下 |
Cold-FEG | : | エネルギー分解能 0.3eV |
Dual SDD | : | 高感度EDX分析, EDXトモグラフィ |
加速電圧 | : | 60kV, 80kV, 120kV, 200kV |
SAAF検出器 | : | 磁場/電場の観察 |
●高分解能STEM観察と原子コラムマップ(SrTiO3{100})
Dual SDD systemにより従来装置の約3倍の感度でEDX分析が可能である。
微量元素の検出、ダメージレス測定に有効である。
●低加速電圧 原子コラムマップ(LiCoO2[010])
低電流密度測定により測定ダメージの軽減が出来る。
従来装置の80kV, 200kVに加えて、60kV, 120kVの測定ができるため、対象サンプルに対してより適切な条件で測定することが可能である。
<120kV測定(Filtering 処理画像)>
●排ガス用触媒における三次元元素マッピング
高感度元素分析および高傾斜分析が出来ることから、EDX元素マッピングの三次元再構成が可能である。像コントラストでは識別困難な元素に対して有効である。
分析機能と原理
カテゴリー
半導体・実装
分類
LSI・IC・メモリ