06/10/2015
No.0243 高分解能GC/MSによる構造解析
高分解能GC/MS測定により得られる検出イオンの精密質量値から元素組成を求めることができ、ライブラリーに登録されていない化合物の同定の信頼性が格段に向上する。またCIイオン化では求めにくかった化合物の分子量情報がFIイオン化により得られるようになった。
●高分解能GC/MS測定
飛行時間質量分析計(Time-of-Flight Mass Spectrometer; TOF-MS)
GCで分離された個々の成分の精密質量値を得ることができる。GC/MS定性において、フラグメント解析に加えて各イオンの元素組成を演算することで、確度の高い化合物同定が可能である。
●イオン化法の選択
CI(Chemical Ionization)法
主にプロトン化分子[M+H]+が検出されるため、GC/MSで分子量情報を得るためによく利用される。
しかし、CI法でも化合物によってはフラグメンテーションが生じたり、疎水性化合物がイオン化しにくい等の弱点が存在する。 | FI(Field Ionization)法
CI法よりもさらにソフトなイオン化法で、主に分子イオン[M]+・などが検出される。
より多くの化合物で分子量情報を得ることが可能である。 |
測定結果からの解析により、シランカップリング剤中の不純物の構造は上のように推定された。
微量添加剤の構造解析や不純物・分解物の構造解析、さらには良品・不良品の迅速な比較などに適用可能
分析機能と原理
カテゴリー
材料・素材
分類
有機材料・化成品