02/17/2020
No.0392 フォトルミネッセンス(PL)イメージング法による高感度非接触・非破壊欠陥観察
ワイドバンドギャップ半導体向けに、PLイメージング装置の改造を行った。最新の高感度冷却CCDカメラを導入するとともに、照射系、集光系の最適化を行った。その結果、バンド端発光が弱い試料において従来問題となっていた紫外域のアーティファクトの大幅低減を行うことができ、高空間分解能かつウェハ全面で微細欠陥の分布観察が可能となった。
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PLイメージングシステム原理図 | |
| 【原理】
斜めから試料に紫外光を照射し、試料からの発光を撮影する。試料を移動させて連続測定(タイリング測定)することで、最初からウェハ全面の高精細PL像を取得する。
【仕様】
試料サイズ: デバイス局所断面~6インチウェハ全面
観測波長: CCD 300~1100 nm
InGaAs 900~1600 nm
画素数: 1024 x 1024 x タイリング数
画質: 最小 0.13 μm / ピクセル
空間分解能: ~1 μm程度 |
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用途
・化合物半導体ウェハ検査
・TEM観察の位置決め (PLイメージング→カソードルミネッセンス(CL)→TEM観察等へのシームレスな欠陥評価)
・デバイス故障解析(PEM:フォトエミッション測定)
・エレクトロルミネッセンス(EL)
・膜の均一性評価
・蛍光顕微鏡
4H-SiCの観測例(バンド端発光が微弱な試料) |
バンド端発光が微弱な4H-SiCウェハのバンド端PL像(観測波長390±9nm) |
バンド端発光が弱い試料においても貫通転位の観察が容易になった。本試料の転位密度は、3E4 cm-2 程度と見積もられる。 |
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GaN単結晶の欠陥分布、転位密度評価 |
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GaN単結晶のバンド端PL像
観測波長 370±18nm, 対物レンズ20倍
全画素数: (1024 x 1024) 画素 x (16 x 16) タイル = 2.68E8 画素 |
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GaN単結晶のバンド端PL像(高倍率測定) |
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本試料の転位密度は、1E6 cm-2 程度と見積もられる。広範囲の欠陥分布に加えて、貫通転位密度の評価も可能である。1E7 cm-2 程度以上の高密度の場合には、電子線を使ったCL法との組み合わせが有効である。 |
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カテゴリー
自動車, 半導体・実装
分類
パワーデバイス・ディスクリートデバイス, 化合物半導体・オプトデバイス