10/13/2021
No.0506 fsLA-ICP-MSによる難溶性試料の無機微量元素分析
一般的なICP-MS分析では、前処理として試料の溶液化が必要であり、ワイドギャップ半導体などの難溶性材料の分析は困難であった。当社では、ガルバノ光学系を搭載したフェムト秒LA-ICP-MS(fsLA-ICP-MS)を導入し、難溶性試料はじめ固体試料の直接元素分析を可能とした。
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fsLA-ICP-MSの概要および特長 |
装置構成図*
固体試料にレーザーを照射して発生した微細な粒子(エアロゾル)をICP-MSへ導入し、無機元素の定性・定量分析を実施 |
特長
・フェムト秒レーザーを照射することで、より微細なエアロゾルを生成可能 ⇒ 信号の安定化、高感度化、元素分別効果の低減
・ガルバノ光学系により、高速多点照射が可能 ⇒ 大面積での分析(定性・定量およびイメージング)
⇒ 固体標準を用いた標準添加法による定量分析の実現 |
SiCウェハ中の不純物分析
ー アブレーション面積と信号強度の関係 ー
試料:イオン注入後SiCウェハ(Ti, Fe, Cu, Gaを1E+14 atoms/cm2)
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ー アブレーション深さの再現性 ー
SiCウェハを測定(n=3)し、アブレーション深さを検証
図 触診式段差計によるアブレーション深さ 図 3Dマッピング
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ー SiCウェハ中不純物の深さ方向分布 ー
同一箇所を6回アブレーションし、金属元素を分析
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*) 東京大学大学院理学研究科・平田教授より提供 |
fsLA-ICP-MSを用いることで、難溶性試料中の微量金属元素を 高精度 かつ 迅速 に分析することが可能である |
カテゴリー
自動車, 材料・素材, 半導体・実装
分類
金属・無機材料, パワーデバイス・ディスクリートデバイス, 化合物半導体・オプトデバイス