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02/03/2023

No.0644 異物の有機組成分析

顕微FT-IR、熱脱着GC/MS、熱分解GC/MSを適用することで、10~20 µg程度の微小異物の有機成分の組成を調べることができる。

異物の外観 FT-IRによる概容定性
  
         図1  異物の写真
異物には無機物(カーボン、シリカ、金属など)を含まれていることがあり、無機物の定性にはEPMAなどの元素分析が有効である。            図2  異物のIRスペクトル

異物中の高分子量成分(ポリマーの構成成分)の定性分析

熱分解GC/MS(熱分解温度;500℃)により、試料中の高分子量成分(ポリマー)の組成を定性することができる。
図3-1  異物の熱分解GC/MS測定(熱分解温度;500℃)に
おけるトータルイオンクロマトグラム(TIC)
図3-2  TIC拡大

異物中の低分子量成分の定性分析

熱脱着GC/MS(加熱温度;300℃)により、試料中の低分子量成分を定性することができる。

 
     図4  異物の熱脱着GC/MS測定におけるトータルイオンクロマトグラム(加熱温度;300℃)

結果のまとめ

高分子量成分
1) ポリマー
  以下のモノマーで構成されるアクリレート

 ・ メタクリル酸メチル        ・ メタクリル酸ブチル             ・ メタクリル酸シクロヘキシル
  
2) 架橋剤
 
 ・ エチレングリコールジメタクリレート
  
 
 ・ 以下の構造を有するヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート
  
低分子量成分
 
 ・ アジピン酸ジオクチル(可塑剤)
 
   

カテゴリー

自動車, 材料・素材, 半導体・実装, ライフサイエンス

分類

高分子材料, 有機材料・化成品, 加熱発生ガス, 複合材料, 実装・パッケージング, 化合物半導体・オプトデバイス, 医療機器・医療材料, 異物