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10/03/2014

No.0166 排ガス触媒の in situ XAFS測定

XAFS(X線吸収微細構造)は、注目元素の局所環境を評価できる手法であり、特に、排ガス触媒の担持金属や担体の化学状態や配位環境を調べる上で有効な手法となる。当社では、安全施設を設置し、高圧ガスボンベの持ち込み、可燃性ガスの試料への導入等、放射光施設内で混合ガス雰囲気中での加熱処理時のXAFS測定(in situ XAFS)や、数秒~数分単位の時間分解能を持つXAFS測定(in situ QXAFS(Quick XAFS))を一般ユーザーが利用できるようにした。

実験施設
Photon Factory (PF, PF-AR)
(高エネルギー加速器研究機構)
測定法
透過法
測定可能元素
Ti~Mo (K吸収端)
Cs~重元素(L吸収端)
対応ガス種
He, N2, O2, H2, CO, NO, etc.
加熱温度
1000以上℃

    in situ XAFS測定の概要

    in situ XAFS測定の概要

    Pt L<sub>3</sub>-edgeXANES

    Pt L3-edgeXANES

    Pt L<sub>3</sub>-edgeEXAFSより得た動径分布関数

    Pt L3-edgeEXAFSより得た動径分布関数


    ガソリン排ガス触媒の一部であるPt/Al2O3について、還元及び酸化雰囲気の実験を行った。処理前ではPt-O結合及びPt-Pt結合が認められ、Pt粒子に酸素が吸着した状態であると推察される。

      また、還元処理によりPt-Pt結合が主体となり、酸素が脱離したと考えられる。一方、酸化処理ではPt-O結合が増加し、Ptの酸化が進行した(PtOx)と考えられ、酸化、還元処理が正しくなされていることが確認された。



    カテゴリー

    自動車, 環境, 材料・素材

    分類

    排ガス・排ガス触媒