01/16/2018
No.0342 発泡体から発生するガス中の酸性ガスおよび塩基性ガスの分析方法
部材から発生する酸性ガスおよび塩基性ガスは、前処理条件によって発生する成分や発生量が異なる。今回、異なるサンプリング方法で発生量を比較し、有用なデータが得られたので紹介する。目的に応じて、適切なサンプリングを行うことが重要である。
1.サンプリング方法
2.分析結果・考察
表1 各サンプリング法による試料からの成分発生量 (単位:μg/g)
成分 | P&T法 | 密閉法 | HS法 |
Dry | Wet |
ギ酸
(HCOO-) | 室温 | 1.1 | 37 | 1.1 | ― |
40℃ | 2.1 | 96 | 4.0 | ― |
60℃ | 18 | 420 | 19 | 1.9 |
NH4+ | 室温 | 6.9 | 27 | 26 | ― |
40℃ | 22 | 80 | 58 | ― |
60℃ | 88 | 160 | 160 | 9.2 |
・処理温度が上昇するとともに発生量増加
・Dryと比較し、Wetの方が発生量大
・P&T法(Wet)と密閉法のNH4+はよい一致
・P&T法(Wet)と密閉法のギ酸は異なる⇒有機物の酸化分解の影響
・P&T法(Dry)とHS法の発生量は異なる⇒HS法での気相平衡および吸着の影響
表2 各サンプリング法の比較
| P&T法 | 密閉法 | HS法 |
最高温度(℃) | 1100 | 200 | 120 |
試料の大きさ | ○ | 限定 | 限定 |
多検体 | × | ○ | ○ |
吸着しにくさ | △ | ◎ | △ |
簡易性 | △ | ◎ | ○ |
このようにサンプリング法によって発生量が異なることから、目的に適したサンプリング方法や加熱条件を選択することが重要であり、そのサンプリング法によって、どのようなデータが取得できるかを把握しておかなければならない。また様々な条件に対応できるようにサンプリング法を開発しなければならない。
分析機能と原理
カテゴリー
材料・素材
分類
加熱発生ガス