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11/02/2021

No.0521 低温から高温にいたる連続温度可変フォトルミネッセンス(PL)スペクトル測定

フォトルミネッセンス(PL)スペクトルは、試料の電子状態や欠陥・不純物の存在を鋭敏に反映する。

多くの物性は温度依存性があり、特にワイドバンドギャップ半導体は室温をまたぐ低温~高温領域において顕著な変化が見られる場合がある。GaN基板PLスペクトル温度依存性の例を紹介する。


GaN単結晶の低温~高温PLスペクトル
 
   横軸:光子のエネルギー(上:対応する波長)
   縦軸:発光強度を対数表示したもの
 
   GaN単結晶のPLスペクトル温度依存性。試料温度により発光バンドの強度・波長・幅が変化する。

スペクトル形状の温度変化についての解析例

強度
波長
横軸:測定温度の逆数(上:対応する温度)
縦軸:規格化した発光強度
横軸:測定温度  
縦軸:ピーク波長のエネルギー

   Fig. 2  Temperature dependence of PL intensity.

        Fig. 3  Peak energy of GaN band edge.
GaNとSiの欠陥由来発光の温度依存性を比較した。GaNはSiより高温域で強度の著しい低下が見られ、発光の温度依存性を議論する際には、低温に加えて室温~高温のデータも重要であることがわかる。バンド間遷移発光は、温度の上昇とともに長波長(=低エネルギー)側にシフトする。
高温の準直線領域を含めた広い範囲の情報から発光波長・バンドギャップの温度変化を検討できる。



カテゴリー

半導体・実装

分類

パワーデバイス・ディスクリートデバイス