close

04/14/2022

No.0598 ACOM-TEM法を用いた有機分子結晶膜の結晶方位マッピング

有機トランジスタは、軽量かつ柔軟なためフレキシブルデバイスへの応用が期待される。本資料では、極薄の有機半導体分子結晶( Ph-BTBT-10 )膜について、結晶形態を把握するため特殊前処理及び測定条件の最適化を組み合わせて、ACOM-TEMによる結晶方位解析を低損傷撮影条件下で実施した結果について紹介する。

【 有機分子結晶膜の評価目的とPh-BTBT-10の結晶構造 】
 
  試料提供:東京化成工業株式会社
  Ph-BTBT-10 [製品コード: D5491]
      
有機分子結晶極薄膜(Ph-BTBT-10)の結晶方位・分子結晶サイズを把握
 
⇒ ACOM-TEM法で評価
ACOM-TEM:Automated Crystal Orientation Mapping Transmission Electron Microscopy

TEM薄膜試料調製方法

   
独自の特殊前処理により、Si基板上から極薄膜のみを採取し、TEM観察用メッシュ上に載せることで薄膜の測定が可能となった。

低損傷撮影条件によるPh-BTBT-10膜のACOM-TEM法による結晶方位解析結果

電子線照射量を低減することで、有機半導体分子結晶を破壊せずに結晶方位マップの取得が可能になった。結晶方位マップ(RD)、逆極点図、極点図より、基板垂直方向にc軸配向しており、面内は無配向の有機分子結晶を形成していることがわかる。
     


カテゴリー

自動車, 電池, IT機器, 材料・素材, 半導体・実装

分類

太陽電池, 高分子材料, 有機材料・化成品, 電子・機能性材料, 有機トランジスタ