09/26/2014
No.0093 リチウムイオン電池 電解液の組成分析
リチウムイオン電池(LIB)に使用されている電解液は、一般的にプロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)などの環状カーボネートとジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)などの鎖状カーボネートとの混合溶媒であり、電解質としてLiPF
6などのリチウム塩が溶解している。
LIBから採取した電解液について、下表の分析メニューから電解液の組成を明らかにすることが可能である。
電解液の分析メニュー
成分 | 評価項目 | 分析手法 |
溶剤 | 成分定性 | GC/MS, 1H-NMR |
成分定量 | GC/FID, 1H-NMR |
変性物定性 | GC/MS, 1H-NMR |
変性物定量 | GC/FID, 1H-NMR |
電解質 | 構成元素定量 | ICP-AES, ISE |
アニオン成分定性 | 19F-NMR,13C-NMR,LC/MS |
変性物定性・定量 | 19F-NMR,31P-NMR |
添加剤 | 成分定性 | GC/MS |
成分定量 | GC/FID, GC/FPD
N,S元素定量 |
不純物 | 成分定性 | GC/MS |
成分定量 | GC/FID, IC(HF定量) |
微量金属 | ICP-MS |
全般 | 自己拡散係数 | 磁場勾配NMR |
安定性 | DSC, TPD-MS |
電解液の劣化解析例
電解液のガスクロマトグラム
長期使用セルの電解液から検出された成分は、GC, GC/MS(EI, CI)測定結果から、リン酸エステルならびに鎖状カーボネートがそれぞれ推定された。 変性物と推定された鎖状カーボネートは溶剤そのものの変性物、一方のリン酸エステルは、LiPF6の酸化によって生成したリン酸(もしくはリン酸塩)とDECなどのカーボネートとのエステル交換反応によって生成した変性物と考えられた。
分析機能と原理
カテゴリー
電池
分類
リチウムイオン電池