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10/01/2014

No.0146 誘導体化GC法によるアミン、グリコールの微量定量

有機アミンやグリコールは工業的に非常に重要な化合物であるが、極性が高くそのままの形ではGCでの微量分析が困難である。水溶液試料中のこれらの化合物については、疎水性溶媒と誘導体化試薬を加えて反応・溶媒抽出を行ったのちGC分析することで高感度かつロスの少ない分析が可能となる。

クロロギ酸エステルによるアミンの誘導体化GC分析

一級、二級アミンはアルカリ存在下でクロロギ酸エステルと脱塩酸反応により縮合、カルバメート化合物となる。 水中の低分子量アミンをクロロギ酸エチルにより誘導体化した分析例を下に示す。メチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、エチレンジアミンがカルバメート誘導体化され、テーリングのないピークとして良好に分離検出された。また、本法をヒドロキシ化合物に適用するとカーボネート誘導体とすることができるため、グリコール類やヒドロキシアミンなどの分析にも有効である。

低分子アミン誘導体のガスクロマトグラム

塩化ベンゾイルによる多価アルコールの誘導体化GC分析

多価アルコールはアルカリ存在下で塩化ベンゾイルを加え誘導体化することによりヒドロキシル基がベンゾイルエステル化される。GC感度の高い芳香環が構造中に導入されることにより多価アルコールの高感度検出が可能となる。以下の例では各多価アルコールは0.2μg/ml(水溶液試料中)まで検出でき、定量性も良好であった。

誘導体化GC分析

分析機能と原理


カテゴリー

材料・素材

分類

有機材料・化成品