12/02/2014
No.0225 GD-OESによる反射防止膜の深さ方向元素分析
GD-OES(Glow Discharge Optical Emission Spectrometry)は、他の深さ方向分析手法と比較して、簡便に多くの元素の分布を確認する事ができる。ガラス基板上に製膜された反射防止膜の深さ方向元素分析の事例を示す。
GD-OESの検出可能元素
※黒字の元素も+1元素のみモノクロメーターで検出可能。
※全元素の定性を行うことはできない。
※F, Arの検出は、分析条件を変更することで対応可能。
反射防止膜のGD-OES分析事例
・ | 反射防止膜の深さ方向分析により、試料表面から順にMgF2/ZrO/Al2O3の積層構造になっていることが示唆される。 |
・ | ZrO層からは、Cも検出されていることから、層内に紫外線吸収剤等が含まれている可能性が考えられる。 |
この様な試料構造が未知の試料の場合、他の深さ方向分析手法では、試料の絶縁性や質量干渉等の影響で、非常に難易度の高い分析となる。 |
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GD-OESでは、ガラス上に製膜された無機酸化物の薄膜積層構造を簡便に捉えることができる。
GD-OESを用いると、構造が未知の試料に対して、上記周期表に赤字で記載の元素であれば定性が可能であり、かつ、その試料の多層構造を容易に評価することができる。 |
カテゴリー
材料・素材
分類
金属・無機材料