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10/29/2021

No.0519 スピントラップされた短寿命ラジカルの有効な同定方法 ー量子化学計算によるESRパラメータ予測ー

ESR法の応用手法に位置づけられる高温スピントラップ法は、短寿命ラジカルを検出する有効な手法である。一方で、生成されたスピンアダクトのESRスペクトル解析が難解となり、捕捉されたラジカルの同定が困難になる場合がある。量子化学計算を併用すれば、スピンアダクトのESRパラメータを精度よく予測でき、短寿命ラジカルの同定を行うことが可能となる。

P02086.pdf
ESR法による高温スピントラップ
 

 
          TTBNB                  TTBNB-R
 
 通常観測困難な短寿命ラジカルR•をスピントラップ剤と反応させ、安定なスピンアダクトを生成させる事で発生ラジカル種を評価する。

量子化学計算を用いたスピンアダクトTTBNB-RのESRパラメータ予測

 
        スピンアダクトTTBNB-RにおけるESRパラメータの計算値一覧

                              *S. Terabe and R. konaka, J. Chem. Soc. Perkin II. 369 (1973).
     g値                 AN                   AβH
 
実験値との良好な一致が得られ、短寿命ラジカルの同定に利用可能!!

カテゴリー

自動車, 材料・素材

分類

高分子材料, 有機材料・化成品